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2024.08.02

周辺環境の魅力
今津のいきものたち~足元の生物多様性~
  • 『今津のいきものたち』の話を聞く今津の方々

  • 新『属』新種のナギサミズカメムシ

体長2~3ミリのナギサミズカメムシ
 
昨年10月、国内94年ぶりとなる新属新種「ナギサミズカメムシ」がなんと今津から発見されました。この大発見をしたのが九州大学4年生、長野光さんです。長野さんは今津の海岸で他の生き物の採取作業を行っているときに「ナギサミズカメムシ」を偶然見つけられたそうです。

「ナギサミズカメムシ」の学名は『Nagisavelia hikarui』 、発見者である長野さんのお名前『ヒカル』が採用されています。

こんなに素晴らしい大発見が起きたことをぜひ今津に住む皆さんに知ってほしいとの思いで、7月13日(土)、『今津のいきものたち~足元の生物多様性~』と題したいきもの講演会が今津公民館にて開催されました。

この日は事前申し込みをした地元住民ら約50名が参加し、小さなお子さんも多数参加されました。

講師は「ナギサミズカメムシ」を発見した長野光さんと、ご友人で生物採取仲間でもある、やながわ有明海水族館名誉館長の亀井裕介さん。亀井さんは佐賀大学の2年生で、高校時代の学校帰りには城南区から自転車で今津干潟までよく来ていたそうです。

いきもの好きな大学生二人による、今津のいきものの話に参加者一同聞き入りました。
  • やながわ有明海水族館名誉館長の亀井裕介さん
  • 小さな生き物が好きで、その豊富な知識から高校2年生の時に館長を任命されたそうです

  • 『クロツラヘラサギはどれ?』などのクイズも交えながら今津干潟に生息する絶滅危惧種などを紹介

 
  • ナギサミズカメムシの発見者長野光さん
  • 水生昆虫会がどよめいた大発見です

  • 会場には二人が採集された小さないきもの達がたくさん

ナギサミズカメムシの発見の経緯は、毘沙門山のふもとの海岸でミミズハゼという魚を採集していたときに見慣れない虫を見つけた為、家に持ち帰って観察していたところ、『福岡県未記録だ!』と気づき専門家に連絡され一緒に採集されたのが始まりだそうです。生物好きにとって新種の発見に携われることは名誉なことであり、さらに自身の名前までもが付けられ、『たいへん光栄なこと』と長野さん。

その他にも、今津の干潟や溜池・水路には絶滅危惧種が多数生息しており、多様な生物が暮らす多様な環境が今津にはあることなど、今津の自然環境の素晴らしさを熱く語っていただきました。
いきもの大好きなお二人の流れるようないきものトークに会場は笑いが溢れ、『今津干潟はヤバい(褒め言葉の意味)』と何度も言われていたのが印象的でした。
 
  • 小さないきものに興味津々の参加者の皆さん
  • カハタレカワザンショウは目がかわいい!

  • 『小さないきものの世界を知ると人生の解像度が上がる』

 
『いきものの存在を知って人生の楽しさが変わってくる』貴重な生物を守り、残していきたい二人の思いがぎっしり詰まった講演会は『今津は宝物』という言葉で締めくくられました。これまで気にも留めなかった小さな生物への世界の知識が深まり、改めて今津の自然の素晴らしさを実感するひとときとなりました。お二人のこれからのますますの活躍をお祈りいたします。
◆今津公民館

所在地:〒819-0165福岡市西区今津2131-3

電話: 092-806-2021

Fax : 092-807-2550