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2022.06.15

お知らせ
褥瘡対策委員会レポート

褥瘡対策委員会

当院では、褥瘡対策委員会を設置しており、毎月、褥瘡に対する計画書の点検、新規褥瘡発生者の報告、褥瘡動向表(各棟の褥瘡発生率・有病率、褥瘡治癒数等まとめたもの)、褥瘡症例の検討、体圧分散寝具・除圧クッションの点検等行っています。
委員会は、医師・看護職員・介護職員・栄養士・薬剤師・作業療法士の多職種で構成されており、事例発表、情報交換・共有を行いながら、褥瘡の予防と早期治療に取り組んでいます。
 
 

褥瘡(じょくそう)とは

一般的に「床ずれ」ともいわれ、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうことです。
眠っている間に寝返りをうったり、長時間椅子に座っているときはお尻を浮かせるなどして、同じ部位に長い時間の圧迫が加わらないように体を動かすことを体位変換といいます。
自分で体位変換できない方は、体重で長い時間圧迫された皮膚の細胞に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなり、これにより「褥瘡」ができます。また皮膚の表面だけでなく、皮膚の中にある骨に近い組織が傷ついている場合もあります。
長期間寝たきりで、栄養状態が悪く、皮膚が弱くなっている人が、圧迫だけでなく摩擦やずれなどの刺激が繰り返されている場合は褥瘡になりやすいといえます。

骨が突き出した部位は強く圧迫されて、褥瘡ができやすくなります。褥瘡のできやすい部位は、寝ているからだの向きや姿勢によって違ってきます。

日本褥瘡学会ホームページより参照 

 

事例発表「褥瘡に対する栄養療法の重要性」

委員会の様子
2022年5月25日 褥瘡委員会では、褥瘡発生状況報告後、山本医師より「褥瘡に対する栄養療法の重要性」の事例発表が行われました。

事例では、
​​“寝たきり・低栄養状態であることから褥瘡が発症した患者さんへの栄養状態の評価と改善について。
血液検査にて、低栄養状態、特に亜鉛欠乏となっている事が判明し、患部への処置と併せて、適切な栄養管理を行う事で、褥瘡が治癒しました。
褥瘡が発生している患者さんは、亜鉛欠乏となっているケースが多く、治癒促進の為に、亜鉛は必要不可欠な栄養素である事が分かりました。

<補足>
亜鉛とは、、、
食品では特に肉類・魚類・穀物に多く含まれており、体内で、たんぱく質代謝酵素の成分として働いています。
亜鉛が不足すると酵素も不足し体内でたんぱく質が作られなくなります。
皮膚は主にたんぱく質でできている為、亜鉛不足は皮膚障害(床ずれ・火傷・ケガ等)の治癒遅延の原因になる他、味覚障害が起き、食欲低下から栄養不足になる事も。